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あなたは、清涼院流水(せいりょういんりゅうすい)という作家をご存じだろうか?
今日は、清涼院流水について紹介したい。
知っているという人も、知らないという人も、我慢してお付き合いいただきたい。
清涼院流水とは?
1996年に第2回メフィスト賞を受賞してデビューした作家である。
今気づいたけど、今年でデビュー20周年ということになる。
デビュー当時最も叩かれた新人
デビュー作である『コズミック 世紀末探偵神話』は、推理小説であり、その斬新(というよりは、荒唐無稽といった方が適切かもしれない)なトリック設定により、「10年に1度の話題作」などと騒がれた。
このように、デビュー作がいわゆる問題作であったため、担当編集者曰く「デビュー当時最も叩かれた新人」ということになるらしい。
清涼院流水の特徴
特徴を一言で表すならば、「悪ふざけとも言えるような過剰なまでの言葉遊びへの執着」である。
言葉遊びへの執着については、ペンネームが『清涼飲料水』のもじりとなっていることからも、その一端を感じていただけるのではないかと思う。
そして、もう1つ特徴を挙げるならば、話の本筋とはおよそ関係のない情報が、作中に氾濫しているということである。
たとえば、2001年に発表された『トップランド2001』では2001年当時に報道されたニュースや2001年当時のヒット曲などが延々と羅列されるページが随所で出てくる。
資料的価値はあるのかもしれないが、それをあえて作品の中に取り入れる必要があるのかというと、首をかしげざるを得ない。
小説家ではなく大説家(自称)
清涼院流水は自身を、小説家ではなく、大説家であると言う。ここで言う大説はと、「国家や政治に対する志を書いた書」ではなく、「従来のジャンルにおさまりきらないもの」という程度の意味らしい。
たとえば、彼は、TOEIC満点(990)ホルダーであるのだが、その経験をもとに英語学習本として、『TOEIC(R)テスト300点から990点へ、「7つの壁」を突破するブレイクスルー英語勉強法』を執筆している。
また、小説仕立てのビジネス書『成功学キャラ教授』を執筆し、成功本ガイドブックで歴代総合2位の高得点がつくなどしている。
このように自称大説家らしく、ビジネス書や英語学習本などの、小説以外の執筆にも力を入れている。
清涼院流水が他の作家へ与えた影響
デビュー以来、悪い意味で話題となった清涼院流水であるが、西尾維新や舞城王太郎がJDCシリーズ(清涼院流水の作品シリーズの1つ)のトリビュート作品を発表しているなど、彼より後の世代や同世代の作家に与えた影響は小さくない。
西尾維新も言葉遊びを多用する作家であり、そういう意味では、清涼院流水と通ずるところがあるといえる。
まとめ
清涼院流水の特徴をまとめると以下のようになる。
- デビュー作は「10年に1度の話題作」と評され、デビュー当時もっとも叩かれた新人
- 過剰なまでの言葉遊び
- 小説以外にも、英語学習本やビジネス本を執筆
読む人が読めば、破り捨てたくなるような作品を発表している清涼院流水であるが、そうした悪ふざけを楽しむ心の余裕のある人は是非、彼の作品を読んでみてほしい。
※本記事には、あること(ノンフィクション)と、ないこと(フィクション)が含まれます。