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今回、中国のガジェット系通販サイトBanggoodより「Creality3D スモールエンクロージャー」を提供していただいたため、これをレビューしていく。
「Creality3D スモールエンクロージャー」は、3DプリンターのEnder-3を販売しているメーカーCreality3D製であり、Ender-3(Ender-3 Pro)向けに作られたエンクロージャーとなっているが、サイズさえ合えば他の3Dプリンターでも使うことができる。
目次
クーポンコード
Banggoodより、「Creality3D スモールエンクロージャー」専用のクーポンコードを発行してもらったので、このコードを使うことでお得に購入することができる。
クーポンコード | 割引額 | 限定数 |
BGJPTKTR | $15 | 15 |
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3Dプリンターにおけるエンクロージャー
ここで、「Creality3D スモールエンクロージャー」のレビューに入る前に3Dプリンターにおけるエンクロージャーについて少し確認しておく。
エンクロージャーとは日本語で言えば囲いのことである。
3Dプリンターには箱型で造形エリア全体が囲われているものもあるが、安価な機種では囲いのないものの方が多い。
3Dプリンターにとって、エンクロージャーとは本来あった方がいいものではあるが、安価な機種ではコストダウンのためにエンクロージャーがなくなっているというだけのことである。
エンクロージャーには以下のような役割があるため、ないよりはあった方がいいといえる。
- エンクロージャーの役割
- プリント中の保温
- エンクロージャー内の温度を高めに保つことでABSなど収縮率の大きいフィラメントで造形物が反ったりや割れたりするのを抑える
- 3Dプリンター本体の保護
- ホコリなどの異物の侵入を防ぐほか、犬猫のようなペットや小さな子どもによる3Dプリンター本体へのいたずらを防ぐ
- プリント中の保温
Creality3D スモールエンクロージャー
届いたもの
アルミ製のパイプとプラスチック製のコネクタ、アルミの内張がされたカバーが入っていた。
組み立て用の説明書は、一枚の紙きれのみでいたって簡素なものである。
組み立て
図の通りに組み立てるだけなので、何も難しいことはない。
エンクロージャーの内側には、全体にアルミのフィルムが張られており、保温性が高そうな見た目をしている。
私のようにメインボードをむき出しのまま使っている場合、ボードのピンがアルミフィルムに触れてしまうと、ショートしてしまうので注意が必要である。
私はそれで「SKR Mini E3 V2.0」を1枚ダメにしてしまった。
大きさ
商品名にスモールと付いてはいるが、組み立て後のサイズは48 × 60 × 72cmとなり、とにかくでかく存在感の主張が激しい。
どのくらいの大きさかというと、身長160cm程度の人間が中で体育座りをできるくらいの大きさである。
なので、エンクロージャーを置くためのスペース確保には苦労するかもしれない。
ちなみに、今回レビューする商品よりもまだ大きなサイズのエンクロージャーも用意されており、そちらは組み立て後のサイズが70 × 75 × 90cmとなる(Ender-5やCR-10用)。
Ender-3の設置
見た目の大きさに反して、いざEnder-3を入れてみると、中の空間には意外なほど余裕がない。
Ender-3用に作られているだけあって、わりとジャストサイズとなっているのである。
横幅に関しては、X軸のベルトテンショナーを取り付けている場合、結構ギリギリでほとんど余裕がない。
対して、奥行きには多少の余裕があり、コンパクトなタイプのスプールホルダーなら置けるだけのスペースがある。
ただし、大きめのフィラメントボックスなどを置けるほどの余裕はない。
また、高さに関しては、Ender-3本体上部にフィラメントホルダーを取り付けている場合には、やはりほとんど余裕がない状態となる。
実際にフィラメントを設置してみると、高さの余裕はほとんどない。
エンクロージャー上部には、おそらくフィラメントの交換がしやすいようにということでフラップが設けられており、どうやらフィラメントはこの状態で設置することが想定されているようである。
エンクロージャーの向かって右側面にはポケットがあり、ニッパーやスクレーパーなどといった小物類を入れて置けるようになっている。
そしてその隣には上部同様、フラップが設けられており、中の3Dプリンターへとアクセスしやすいようになっている。
また、左側面にはケーブル類を通すための穴が設けらている。
保温性
アルミフィルムが全面に張られているためそれなりに保温性は高く、中に入ってみると暖かいというよりは、むしろ暑いと感じ、冬場にもかかわらず汗ばんでくるほどであった。
テストプリント
私はこれまで、3Dプリンター用のフィラメントとしては、PLA、PETG、TPUしか使ってこなかった。
ABSは反ったり割れたりしやすいと見聞きしていたことから、敬遠しており一度も使ったことがなかったのである。
今回はエンクロージャーのレビューということで、いい機会なので初めてABSでのプリントを行ってみることにした。
プリント条件
テストプリントは以下の条件で行った。
- 使用モデル:3DBenchy
- 使用フィラメント:ABS(Ankun ABS、ブラック)
- ノズル温度:255℃
- ヒートベッド温度:105℃
- 積層ピッチ:0.2mm
- インフィル密度:20%
- インフィルパターン:グリッド
- 印刷速度:60mm/s
- 移動速度:150mm/s
- 引き戻し距離:1.0mm
- 引き戻し速度:40mm/s
- サポート:なし
- ラフト:なし
テストプリント前のエンクロージャー内の温度は19.4℃で湿度は41%であった。
それがプリント開始後1時間では、温度45.3℃、湿度10%となった。
その後、一番温度の高い時で47.7℃となった。
冬場の寒い時期でこの温度なので、夏場であれば、エンクロージャー内の温度が50℃は超えてくるのではないかと思われる。
ちなみに、ベッドが105℃になるまでにかかった時間は13分半ほどであった。
テストプリントの結果
初ABSであったにもかかわらず、エンクロージャーのおかげか、反りが見られず、積層割れもなく良好な造形結果が得られた。
ベッドへの食いつきもよく、底面がベッドからまったくはがれていなかった。
各アングルからの3DBenchy
テストプリントの結果から、「Creality3D スモールエンクロージャー」は少なくともABSをプリントするのには十分な保温性があるということが分かった。
Ender-3でABSフィラメントを多用するなら、プリントでの失敗(反り、割れ)が減らせるということを考えると、「Creality3D スモールエンクロージャー」は持っておいて損はないといえる。
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まとめ
- Banggoodから提供してもらった「Creality3D スモールエンクロージャー」をレビューした。
- 「Creality3D スモールエンクロージャー」はスモールとはいいつつも、実物はかなりの大きさがあるため、設置するにはそれなりのスペースが必要。
- 「Creality3D スモールエンクロージャー」の保温性はABSのプリントで使うには十分である。