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私はこれまでに8台のFDM方式の3Dプリンターと3台の光造形3Dプリンター使用してきた。
その経験をもとに初心者におすすめできる光造形方式の3Dプリンターを6機種紹介する。
ここでは、ELEGOO、NOVA3D、ANYCUBICの3つのメーカーについてそれぞれ2機種の光造形3Dプリンターをおすすめとして紹介する。
目次
光造形3Dプリンターを購入する際に考慮すべき点
- 造形サイズ
- ここで紹介する価格帯の光造形3Dプリンターは、スマホ向けの液晶パネルを転用しているため、造形サイズはどのメーカーのものもXY方向は大体6インチ程度となる。
- 液晶(LCD)の種類
- モノクロ液晶かカラー液晶か
- モノクロ液晶の方がカラー液晶よりも、レジンの硬化に必要な露光時間が少なくて済むため造形速度が速くなる。
- モノクロ液晶の方がカラー液晶よりも2.5~4倍高寿命(メーカー調べ)となっている
- 2K液晶か4K液晶か
- 2Kよりも4Kの方が造形品の解像度が高くなるが、当然価格も高くなる。
- モノクロ液晶かカラー液晶か
- Z軸のリニアガイドがシングル(1本)かデュアル(2本)か
- シングルよりもデュアルの方がZ軸の安定性が高くなる。
- 消耗品の入手性
- 光造形式の3Dプリンターでは、レジンのほかにFEPフィルムや液晶パネルが消耗品となるため、消耗品が容易に入手できないと使い勝手が極端に悪くなってしまう。
初心者におすすめの光造形3Dプリンター6選
まずは、各機種の特徴を表にして紹介する。
ELEGOO Mars 2 | ELEGOO Mars 2 Pro | NOVA3D Elfin2 MONO SE | NOVA3D BENE4 MONO | ANYCUBIC Photon Mono | ANYCUBIC Photon Mono SE | |
造形 サイズ | 129 x 80 x 150mm | 129 x 80 x 160mm | 130 x 75 x 150mm | 130 x 80 x 150mm | 130 x 80 x 165mm | 130 x 78 x 160mm |
液晶 タイプ | 2KモノクロLCD (2560 x 1620) | 2KモノクロLCD (2560 x 1620) | 2KモノクロLCD (2560 x 1620) | 2KモノクロLCD (2560 x 1620) | 2KモノクロLCD (2560 x 1620) | 2KモノクロLCD (2560 x 1620) |
XY 解像度 | 0.05mm | 0.05mm | 0.05mm | 0.04mm | 0.051mm | 0.051mm |
Z 解像度 | 0.00125mm | 0.00125mm | 0.01mm | 0.01mm | 0.01mm | 0.01mm |
Z軸 | シングル | シングル | シングル | シングル | シングル | デュアル |
本体 サイズ | 200(L) x 200(W) x 410(H)mm | 200(L) x 200(W) x 410(H)mm | 270(L) x 260(W) x 420(H)mm | 240(L) x 250(W) x 430(H)mm | 222(L) x 227(W) x 383(H)mm | 222(L) x 200(W) x 400(H)mm |
本体 重量 | 6.2kg | 6.2kg | 7.3kg | 9.5kg | 4.5kg | 8.2kg |
Wi-Fi 接続 | × | × | 〇 | 〇 | × | 〇 |
消耗品の 入手性 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × |
Amazonでの価格 (※) | ¥25,649 | ¥34,999 | ¥26,999 | ¥36,999 | ¥28,999 | ¥55,799 |
※:2021年2月7日現在でクーポン適用後の価格
ELEGOO
ELEGOOは、主に光造形3Dプリンターを販売しているメーカーで、そのほか電子工作用のパーツ(Arduinoのクローン品等)を販売しているメーカーである。
競合他社と比べて、安価でありながらもそこそこの品質の商品を作るのに長けているという印象である。
光造形3Dプリンターに関していえば、Amazonで本体のほかにレジンやアクセサリー品のすべてを入手可能なため、初心者におすすめしやすいメーカーである。
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ELEGOO Mars 2
次に紹介する「ELEGOO MARS 2 Pro」の廉価版という位置づけのモデルであるが、こちらの「ELEGOO MARS 2 」の方が後発機種でMARSシリーズの中では最新のモデル(※)となっている。
Pro版との違いは、カバーの色、レジンバットの材質、予備のFEPフィルムの付属の有無、脱臭用の活性炭ボックスの有無となっており、よほどの理由がない限り、価格差を考えるとPro版を選ぶメリットは少ないと言える。
※2021年2月現在
- 特徴
- 2Kモノクロ液晶
- 2Kモノクロの光造形3Dプリンターとしては最安クラス
- 紙の日本語マニュアルが付属
- 本体の言語設定で日本語を選択可
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ELEGOO Mars 2 Pro
- 特徴
- 2Kモノクロ液晶
- 脱臭用の活性炭ボックス内蔵
- 紙の日本語マニュアルが付属
- 本体の言語設定で日本語を選択可
NOVA3D
NOVA3Dは、家庭用の光造形3Dプリンターとしては、「Bene」と「Elfin」という2つのシリーズを展開しているメーカーである。
そのほかプロフェッショナル向けの光造形3Dプリンターの機種も扱っているようだが、今のところあまり情報はない。
ELEGOO同様、Amazonでの消耗品の入手性が良く、初心者におすすめのメーカーである。
ただ一つ難点があるとすれば、スライサーソフトがこのメーカー独自のものであるという点である。
- 関連情報
NOVA3D Elfin2 MONO SE
NOVA3DのElfinシリーズは廉価版という位置づけのシリーズとなっているが、Beneシリーズに先んじてレベリングフリー機構を採用するなど、意欲的なシリーズとなっている。
特に、この「Elfin2 mono SE」は、上位シリーズの「Bene4 MONO」と比べてみると、プリンティング性能に関してはほとんど遜色がなく、コストパフォーマンスで圧倒している機種となっている。
- 特徴
- 2Kモノクロ液晶
- Wi-Fi接続可
- レベリングフリー
- 本体の言語設定で日本語を選択可
- 独自のスライサーソフト
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NOVA3D BENE4 MONO
カバーが跳ね上げ式となっている点やレジンバットが金属製となっている点で、廉価版のElfin2 MONO SEとは異なっている。
- 特徴
- 2Kモノクロ液晶
- Wi-Fi接続可
- レベリングフリー
- 本体の言語設定で日本語を選択可
- 独自のスライサーソフト
- カバーが跳ね上げ式
ANYCUBIC
ANYCUBICは光造形3Dプリンターだけではなく、FDM方式の3Dプリンターも販売しているメーカーである。
このメーカーが過去に発売した「Photon」という機種は、2018年当時、Amazonで買える光造形式の3Dプリンターとしては格安でありながら、納得のいくプリンティング性能も有しているということで、大変よく売れたという実績がある。
ANYCUBIC Photon Mono
「Photon」の名を関してはいるものの、カバーが跳ね上げ式の初代「Photon」、その改良版でデュアルZ軸の「Photon S」のどちらの特徴も受け継いでおらず、廉価版という位置づけの機種となっている。
もちろんその分、2Kモノクロ機としてはお求め安い価格となっている。
- 特徴
- 2Kモノクロ液晶
ANYCUBIC Photon Mono SE
跳ね上げ式のカバーやデュアルZ軸を特徴とする「Photon S」の正統進化版といえる機種である。
その分、お値段は少々高めとなっているが、ここまでで紹介した機種と比べるとワンランク上の機種であるということができる。
- 特徴
- 2Kモノクロ液晶
- Z軸のリニアガイドが2本
- 全面金属筐体
- Wi-Fi接続可
- カバーが跳ね上げ式