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直動機構
直動機構には、「リニアブッシュ」、「リニアガイド」、「ボールねじ」などがあるが、 「Ender-3」に代表される中華製格安3Dプリンターでは直動機構として「V-Slot」の採用例が多い。
「V-Slot」
「V-Slot」は、もともとKickstarterで開発資金を募っていたオープンソースの直動機構であり、「Contraptor」、「SeeMeCNC Designs」、「MakerSlide Project」、「OpenRail Project」といった先行のオープンソースプロジェクトをもとに開発されているものである。
目標額達成後には、「V-Slot」、「C-Beam」、「OpenRail」といったアルミプロファイルを用いた直動機構やそれらの関連パーツを取り扱う公式ストアの「OPENBILDS」が開設されている。
「V-Slot」の特徴
「V-Slot」とは、4つの側面のそれぞれにV字型の切れ込みを持つ特徴的な形状のアルミプロファイルと、その切れ込みに合う形状をしたホイールとの組み合わせによる直動機構である。
特徴的なV字型の切れ込みを持つことから「V-Slot」と名付けられたようである。
可動部については、対になるホイールでアルミプロファイルを挟み込むことで保持される形となっおり、保持力の調整は偏芯スペーサーによってなされる。
直動機構と構造フレームが一体化しており、構造全体を安価で軽量に構成できることが、他の直動機構と比較したときの「V-Slot」最大の特徴である。
(参考:What is V-Slot? – OpenBuilds)
「V-Slotの」用途
「V-Slot」は、パーツ同士の組み合わせの自由さが売りということで、用途として以下のものが列挙(※)されていた。
- 3D Printers
- CNC Engravers
- Hot Wire Machines
- Laser Cutters
- Camera Sliders
- Plasma Cutters
- Robotics
- Furniture
- And much more
※OpenBuilds V-Slot Aluminum Extrusion – Kickstarterより引用
本家V-SlotとEnder-3のV-Slotの違い
本家「V-Slot」はアルミプロファイルを4つ(または6つ)のホイールでホールドしている。それに対して、「Ender-3」の「V-Slot」はホイールが3つとなっている。
つまり、本家「V-Slot」と比べてEnder-3に代表される中華製格安3Dプリンターの「V-Slot」では、ホイールの数が少ないということである。
これがどのような違いをもたらすかというと、支持点数の少ない場合のほうが、取り付け時のあそび、すなわち誤差をより生じやすいということである。
なぜ、Ender-3でこのような構成となったのか正確なところは分からないが、ぱっと思いつく限りでは、部品点数削減によるコストダウンを図ったものであるか、もしくはX軸ガントリーの質量を少しでも軽くしたかったものであると思われる。
性能のわりに安いということこそ、Ender-3の最たる特徴だからである。
最近、Ender-3の改造キットでリニアガイドを用いるものが出始めているが、個人的にはEnder-3のX軸とZ軸の「V-Slot」を3ホイール式から4ホイール式にすることで事足りるのではないかと思っている。
・Ender-3リニアガイド化キット
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X軸とZ軸用の4ホイール式ガントリーパーツ一式は3000円程度なので、リニアガイド化よりも4ホイール化のほうが金額と労力という対価と得られる結果とが釣り合っているのではないかと思う。
・V-Slot用ホイール
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・V-Slot用ガントリープレート(20×20用)
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・V-Slot用ガントリープレート(20×40用)
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まとめ
- 「V-Slot」について調べてまとめた
- 「V-Slot」はとを兼ねた構造となっている
- 「V-Slot」はパーツ同士の組み合わせの自由さが売り